静かに積み重なるもの—諏訪での一日
先日、出身地である長野県諏訪市に行ってきました。
私が空手を始めたのは15歳の頃。諏訪の道場が、私の空手の原点です。
今回はOBOG会に加え、代表の堀田先生の喜寿(77歳)のお祝いを内緒で行うということで、お声がけいただきました。
喜寿のお祝いとは、77歳を祝う日本に古くからある文化です。
20年以上前に一緒に稽古をしていた仲間たちも集まり、懐かしい話で盛り上がりました。
堀田先生とは、数年に一度お会いする程度でしたが、ゆっくり話すのは本当に久しぶりでした。
私がまだ水色帯だった頃、市民祭という小さな大会で優勝した時のことを覚えていてくださり、忘れかけていた思い出が温かくよみがえりました。
余興では子どもたちが試割りを披露し、会場が和みました。
その流れで、司会者がサプライズを用意しており、なんと祝われているはずの堀田先生が板を割ることになりました。
一寸(3センチ)の板が二枚。
板を持つ人が2人ステージに上がると、堀田先生もヒョイっとステージに上がり、ちょっと間合いを合わせたかと思うと、手刀と裏拳で一瞬のうちに二枚の板を割ってしまいました。
これには本当にびっくりしました。
特に二枚目の裏拳は、拳を少し逃がすような当て方で、長年の稽古の積み重ねを感じる熟練の技でした。
派手ではなく、静かで、深い。「これぞ武道だ」と思いました。
私は、歳を重ねることに抗うのではなく、どう向き合うかが大切だと感じています。
その答えの一つが、武道の稽古の中にあるように思います。
来られなかった方も、もう会えない方もいます。
それでも、諏訪で空手を始めて出会った人たちへの感謝が、静かに心に広がる一日でした。



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